★★★第1章 古典的立憲主義における主権概念★★★
■17C~18C
・ウェストファリア条約→世俗的秩序 主権概念→古典主義
・イギリス→社会契約論 清教徒革命 立憲主義的秩序
・アメリカ→19Cでも顕著→古典的立憲主義
■1ー 革命期イギリスでの主権論
- イギリス革命期の主権論
・王権神授説
・同意による統治
・古来の国制→コモン・ローの伝統 マグナ・カルタ
・「国王の主権と臣民の自由とが思慮深く結合した、古く、名誉ある、幸せな国家」
・ジョージ・ローソン→絶対王政の主権を否定 人民主権論をも否定
・王権、同意 憲法を同時に追求→古典的立憲主意義の原型的思考 - ロックの立憲主義モデル
・17C後半 名誉革命 古典的立憲主義
・最高権力→主権の代替概念→立法者に存する
人民に最高権力がある→所有権(基本的人権)を人民は決して失わない
共同体が設立された理由そのもの
革命権を有する →自然法思想を基盤にしていた ※フィルマー 人民主権論の危険性を警告
非人格的権威が社会秩序の最終的保障者となる
・ロックにとって絶対なもの→社会設立の目的である個人の自然権を保障する社会秩序
→後に立憲主義として定式化される(政治思想の根幹を形成する)
・政府→通常状態で最高権力を有する。
人民→政府が解体したとき最高権力を保持する。個人の権利擁護の最終的万人として
最高権力を保持する
・主権→立憲主義に解消
・政府→立法、行政、連合権 に分ける - 立憲主義の伝統の確立
①権力→社会構成原理である根本規範から逸脱は許されない
②最高権力→その源泉と行使者とに分化して保持される
③個人の自然権の侵害→社会契約違反→革命権行使による秩序回復正当化
・自然法的秩序
・人民の福祉が最高の法→ローマの聖句
・立憲主義の原則の思想
・正当な革命権行使→立憲的秩序を支える→国際社会における介入の正当化理論と関連する。
・近代の主権国家の秩序→本書が国際立憲主義とよぶ思潮
・マーチン・ホワイト→中庸の思想:絶対君主権と絶対人民主権との均衡→
英米の主流を形成する自由主義的政治思想の特徴
■2ー18世紀イギリスの主権論
- 革命後イギリスの制限主権論
・内戦回避→安定中央権力と基本的人権擁護
・権利の章典→王権の違法性列挙→国王の主権否定せず
・権威→(人民に存する)と権力相違→(神から与えられる):(パーキンソン)
・忠誠→法に基づいた服従
・国王に主権力を保障する→法以外にない
・国王主権尊重と制限→両派は一致していた→党派的利害が異なっていただけ
・専制政治と無政府状態を避ける→イギリス特有の「憲法(Constitution)=国制」
→自然法 コモン・ロー→革命後の政治要請を可能にした→絶対権力を律する - ブラックストーン(18C古典的立憲主義の頂点)→「イギリス法注釈」
・通常権力と制憲権力との両立と言う課題→主権の「制限」で解決しようとはしなかった。
・尊重されるべき権力や権威を前面に押し出す
・全政府→絶対的で、統御不能な権威がある
その基に君主制 貴族制 民主制 がある→主権を共有 相互に排他的でない
イギリス憲法の枠組みのなかで、主権を構成する - ベンサムと近代の到来
・18C末 グラックストーンを批判
・産業革命に突入→革新的方策を実行する強い議会
・主権肯定論→強調 自然法、コモン・ロー→否定的
・主権者→その意志に政治社会全体が服従していると考えられる人の集合体
イギリスでは「国王、議会に集まった貴族と庶民」→その社会契約論は」時代遅れ
・主権者の意志こそが法を生み出す。(18C末以降)
■3 「国際的」場面での主権概念
- 自然法と諸国民の法
・「国際的」1780年 ベンサムによってつくられた。
・国際法の主体→主権=君主間(国家間ではない)
国家全体に属するものとして認識されていない。 - 古典主義時代における階層的な主権
・「自然法」「諸国民の法」によって調整された。
・近代国家主権論の成立→国民主権の高まり→高度に抽象的な一般原理としての地位を獲得
■4 アメリカ建国当時の主権論
- 北米13州の独立と古典的立憲主義
・独立宣言(1776年)→自然法による諸個人の権利
→社会契約論に由来 被統治者同意 人民の抵抗権
※「国民」概念存在せず 抗議する相手はジョージ三世
イギリス国家ではない
合衆国憲法(1788年)→古典主義的立憲主義
・アメリカ連合諸国(州)→行政府 司法府なし、立法府あり
→理想キリスト教共同体の理念
ルソー流の人民主権論に基づく平等主義
→政治的不安定 経済的混乱
フェデラリストの意図→各州に蔓延する人民主義の弊害を是正する、州の主権に挑戦する
・近代国民主義のさきがけ - フェデラリストの議論
・マジソン憲法草案→「他者から独立した主権体、自らの自発的行為によってのみ拘束される」
→国民的でも連邦的でもない→両者の結合→強力な中央政府
→各州 主権的・独立的管轄権 残余的主権
・ワシントン→「これらの諸国(州)の連邦政府が、各国に独立主権の全ての権利を
確保してやり、しかし全てのための利益と安全とを供給するのは
明らかに実践的でない。諸個人は社会に入ったとき、自由の一部を
他の部分を守るために放棄しなければならない。」
世界最古の成文憲法アメリカ合衆国憲法→国家主権を立憲主義的原則によって規則づける
→決定的に重要 - アンチ・フェデラリストの議論
・分割された主権の諸「部分」をどう配分するか→曖昧→それを糾弾した人々
→アンチ・フェデラリスト
・主権問題の取り扱い方 - 妥協としての分割主権論
・合衆国憲法批准→アメリカ政治・法思想の確固たる基盤確立
・19C南北戦争まで継続
■5 アメリカ立憲主義的主権論の進展
- 合衆国の立憲主義的主戦論
・分割主権論→アメリカ憲法学の正当な教義
・「最広義においては、至高・絶対・制御不可能の権力」→そのような権力は
合衆国にはない
・諸国家と諸国民の間の相互関係→主権は独立以上のことを意味しない
・政府に対する抑制としての憲法→人民に対する抑制としても働く - 合衆国における2つの主権論
・連合の主権(理念てき国家)
・諸国の主権(州権) 多数派の専政→地方レベルで息づいている
→近代国民主義の勃興によって、力を増す。
・イギリス アメリカの国制の基盤→今日までのこり続けてる。→政治思想に大きな影響
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