はじめての憲法(2) 篠田 英朗 著

 ★★★ 控訴審判決 10月19日(木)  公表午後6時 ★★★

★★★第1章 憲法制定の論理とはなにか★★★ ーポツダム宣言

■「ポツダム・プロセス」という考え方

  • ポツダム宣言受け入れ→日本国憲法の制定→国家秩序の再建
    ・国家義務の一つ→国際義務
  • 右翼と左翼の「ポツダム・プロセス」否定論
    ・右翼→「押しつけ憲法論」
         1899年→「陸戦の法規慣例に関する条約」第43条
             →「国の権力が事実上占領者に移った上は、占領者は絶対的な支障が
               無い限り、占領地の現行法律を尊重して、なるべく公共の秩序
               及び生活を回復する為、施しうる一切の手段をつくさなければ
               ならない。」
        →「ポツダム宣言」否定→歴史的経緯否定
    ・左翼→1946年当時→交戦状態は終了してる→43条は適用されない→日本国憲法は成立してる
    ・日本の受託を根拠に→占領を実施:「特別法が一般法を破る」
  • 1928年不戦条約との関係→関係なし
  • 日本国「人民」の論理
    ・ポツダム宣言第10項→・戦争指導者には戦争犯罪人として処罰する
                ・日本国民には人権を認める
                ・日本で民主主義が発達するように保障する。
      第6項→・戦争指導者は犯罪者なので追放する。
               ・日本国は、政府を変えること→戦争を終える仕組みを作るべし。
               ・武装解除→戦争遂行能力破壊(7項)
               ・ポツダム宣言の論理構成→政府と人民との契約
                          →国家の基本構造を説明→英米思想
  • 国民と人民の区別について
    ・国民→フランス革命→ヘーゲル哲学→ドイツ国法学→有機的実体性→国民国家
    ・英米→フランスより先に憲法典を作る→国家→単なる「人民の集まり」から
     ばらばらの個人が政府と契約を結んで、国家が出来る→「国民」という有機的統一体はない
     「政府」→「人民」→契約関係
    ・「一般意思」をもった「有機的統一体」ではない
    ・米合衆国憲法→「国民」「一つの主権」という概念無し→「国民主権論」もない
     →主権者がだれか、不明→個々人の根源的権利が重要
    ・主権行使機関と人民→契約条項→契約書
    ・ポツダム・プロセス→ポツダム宣言提案→受託→日本国憲法制定→サンフランシスコ講和条約
  • 「ポツダム・プロセス」時間軸
    ・「戦争犯罪人」「日本人民」を区別
    ・「日本人民の自由意志→「平和的傾向を有しかつ責任ある政府」樹立→ポツダムプロセス 官僚
     →占領軍撤収
  • 日本政府→「人民」でなく「国民」を使用した理由
    ・自由主義、共産主義 を嫌ったから→天皇中心の家族のようなもの
    ・人民主権→人民政府→一般意思→人民主権論
    ・ポツダム宣言の論理→国際主義・英米立憲主義の論理
  • 英米立憲主義者の位置づけが問題になるのは」、日本だけか?
    ・日本だけの現象
    ・大日本帝国憲法草案→ヘルマン・ロエスレル(ドイツ人)
    ・憲法改正範囲の限界→天皇主権の憲法→主権が変わる憲法を作ることは出来ない
     →「主権者の交替だけはやってはいけんない」とは書いていない
     →憲法改正範囲の限界→日本の憲法学者が勝手に思い込んだだけ
    ・ドイツ人学者の権威を相対化→日本人学者の権威に傷がつく
    ・「今までの憲法から日本国憲法を説明でいない」→「8月革命説」
     →政治の世界で革命が起こった→主権者が変わった
    ・一部の有力憲法学者→「ポツダムプロセス」仕組みを理解するのを拒んだ→罪深い

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