大東亜戦争肯定論(2) 林房雄著

第五章 武装せう天皇制ー未解決の天皇制

  • 日本人の宿題としての天皇制
  • マッカーサーの軍人的意見
    ・支配者・伝統・伝説・神話→悪 アメリカ→善
    ・征服者としての功績→是認
    ・日本弱体化→否認
  • 天皇制の「変形」
    ・変形しても良い→存続さえすれば→日本人
  • 天皇の「神格否定」の意味
    ・「現御神」「優越民族」→「架空な観念」の否定
      著者→その消滅を喜ぶ
    ・皇国思想は破棄されたが→「天皇と国民との間の紐帯」は残った。
  • 竹山道雄論文の重要性
    「天皇」→「アジア的専制」ではない
        →国民の「深層意識」に根ざす→土俗的なもの
  • 「東京裁判」を否定する→林房雄
     ・天皇→国民と共に戦った→従って「有罪」→弁護の余地も必要もない「事実」
  • 「天皇土俗説」
    ・吉本隆明→「大衆の存在様式」→「支配の様式を決定する」
  • マッカーサーは天皇制を避けて通った
    ・形式的な天皇制が保持される理由
     ①国民→宗教的信仰→国民の憎悪→「軍国主義者」の「天皇復興」へ
     ②天皇制機構→日本占領に有用
     ③革命勢力を弱体化
  • 天皇制武装と軍人勅諭
    ・日本民族の初期→天皇は武装していた→考古学的に証明できる。
    ・700年間非武装→エンペラー、カイサルではあり得ないこと→神秘な性格

第六章  日清戦争と三国干渉

  • 無謀な戦争
    ・薩英戦争 馬関戦争→「無謀な戦争の原型」
    ・戦闘に勝つても戦争に勝たなかった
    ・大日本帝国→帝国主義国家に値しない
    ・やむにやまれぬ戦争→日本人の実感
  • 政府は常に「非戦論」
    ・内村鑑三→日清戦争肯定論→戦争は最も避けるべき者→非戦こそ最終最始の政略
    ・民間→学者→政党人→文学者→政府→開演
  • 「日本の悲壮な運命」
    ・世界文明→特殊な地位→悲壮な運命は展開→運命感→実態が「百年戦争」
  • 丸山真男教授の嘲笑
    ・寡頭政治が引き興した戦争
    ・「日本の悲惨な運命」→「ずるずると戦争に突入」→「驚くべき事態」

第七章 日露戦争の推進者ー日本の右翼の源流

  • 三国干渉と徳富蘇峰
    ・平民主義
    ・打倒藩閥
    ・「国民新聞」→朝鮮出兵論→挙国一致→対清→福沢諭吉も同じ
      →帝国主義者徳富蘇峰→裏切り者
    ・日清、日露休戦に不満→次の戦争への期待
    ・内村鑑三、幸徳秋水、堺利彦→反戦論者→政府の弾圧受けず
    ・対露開戦論者内田良平→「露西亜亡国論」→発禁処分
  • 右翼の「浪人精神」
    ・東亜百年戦争→「右翼」思想家が推進→平和が夢想に過ぎない→見抜く
    ・政府、軍部首脳→侵略主義と謀議によるものではない。
    ・老荘思想、虚無主義→右翼思想源流
  • 右翼は「暗黒勢力」ではない

第八章 右翼とファッシズムー日本にはファッシズムはなかった

  • 「天皇制ファッシズム」と言う俗論
    ・発明者→連合国側→「ファッシズムと民主主義の戦争」
    ・同盟→同一の政治的軍事的利害による同盟
       →政治体制が同質とは限らない
  • 自由党は愛国党
    ・自由民権運動=国権確立運動
  • 玄洋社の「転向」
    第一条:皇室を敬戴すべし
    第二条:本国を愛重すべし
    第三条:人民の権利を固守すべし
  • 大東亜戦争は日露戦争の直後に始まった
    ・対支21箇条要求→中国人ナショナリズム激発→日支事変
    ・軍縮 米英路線→幣原外交
    ・右翼団体活動 少壮軍人クーデター計画→満州事変→日支
    ・左翼への大弾圧 右翼テロ→政治経済→戦争体制へ
    ・淡徳三郎→大東亜戦争→植民地再編成(解放ではない)→失敗
  • 上山・淡両氏のの反論に答える
    ・日本の帝国主義的野望・軍部の暴走・右翼陰謀→太平洋戦争の原因
     →ではなく→日米戦の結果

第九章 ホーマー・リー氏の日米必戦論ー日米戦争開式期についての一つの傍証

  • ポーツマス会議直後の「恐日文書」
  • アメリカの恐日病
  • 「白い太平洋」の夢と現実
  • クオ・ヴァディス
    ・デモクラシー、コミュニズム→現代の宗教→トインビー、鈴木大拙
    ・世界革命(18C)1775年→アメリカ独立戦争が始まり

第十章 朝鮮併合ーナショナリズムに牙がある

  • 中野好夫教授の心配
    ・日韓併合→帝国主義段階に突入→木に竹をつなぐ→林房雄
         →英米並みの帝国主義段階に突入→天皇制ファッシズム
  • 朝鮮併合の残虐性
    ・朝鮮民族に大きな被害
    ・東亜百年戦争の一環
    ・産業を興した→しかし、農民は土地を奪われ、日本、満州へ流浪の民になった
    ・近代化→日本人のため→朝鮮人のためではなかった
  • 敵は背後の大国
  • ネールの「ナショナリズム論」
  • 朝鮮を狙ったのは日本だけ出ない
    ・明治のナショナリスト→朝鮮、満州、沿海州占領論→資本主義と無関係
              →狙い→西洋列強、「アジア解放」
  • 金玉均と福沢諭吉
    ・朝鮮の独立→日本のためでもある
  • 伊藤 井上、桂、山県
    ・大アジア主義→日韓合邦→日本側→一方的
    ・内治派→併合でなく「保護国化」→伊藤 井上
    ・対外派→併合すべし→桂、山県
    ・伊藤辞任→桂→日韓併合
  • 東学党の乱
    ・日本海海戦勝利→韓国支配を容認
  • 天佑侠と東学党
  • 内田良平と李容九
    ・日本→李王朝擁護
    ・50万人の信徒
  • ピンヒ暗殺事件
  • 内田良平のロシア論
    ・専政政治→理想主義的革命援助論}
    ・合邦→併合ではない
  • 「大東合邦論」と李容九
    明治維新→日本強勢の原因
    李容九→近代的民族国家→組織的政治運動が必要
  • 福沢諭吉の脱亜論
    ・日本の文明開化、自主独立→アジアの固陋を脱する
    ・清、朝鮮の文明化が遅い→怒り→道徳さえ地を払って残酷不廉恥を極める→亡国
    ・アジア東方の悪友を謝絶する
    ・→アジアの「悪友」→「シナ・ナショナリズムの抵抗」→昭和の敗戦
    ・ナショナリズムをさばくもの→ナショナリズム
  • 樽井藤吉の理想
    ・「大東合邦論」や発表すぐ没収
  • 伊藤の「甘美なる空言」
    ・「予は韓国のために志士仁人を以て自らを任ず者なり」
    ・伊藤の死後や一方的「併合」(山県、桂)
  • 朝鮮民族の大抵抗
    ・伊藤統監時代も→抵抗は激烈を極めた
    ・「新協約案」提出→伊藤にの会見拒絶(帝)→「保護国」
    ・各地→義兵、テロ
    ・義兵運動→5年間→死者→1万8千人
  • 李承晩の怨恨と李容九の憤死
    ・李王朝下→在獄7年→プリンストン→寺内総督暗殺事件→拷問→大統領→アジアの嫌われ者
    →国民、アメリカから見放される
    ・李容九→日本を凝視
  • 内田良平の志
    ・「アジア解放の志」→アジアの悲惨→反逆精神の結晶

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