はじめての憲法(4) 篠田 英朗 著

★★★ 控訴審判決 10月19日(木)  公表午後6時 ★★★

★★★第3章 憲法が標榜する責務とはなにか★★★ ー国際条約

  • 憲法における平和愛好諸国への信頼
    憲法前文 第二段落
    「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を
     深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
    われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専政と
    隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、
    名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と
    欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
    ・国内社会→信託→trust ・国際社会→信頼→trust が基盤
    ・平和を愛する諸国民→国連加盟国
    「国際連合における加盟国の地位は、この憲章に掲げる義務を受託し、
    且つ、この機構によってこの義務を履行する能力及び意思があると認められる
    他のすべての平和愛好国に解放されている。」
    ・1940年→「大西洋憲章→第二次大戦の目的→大西洋憲章→平和を愛する諸国民
    ・have determined 現在完了形→ポツダム宣言受諾時時にこの決意が成された
  • 消えた正義justiceの謎
    ・正義や公正 に変更や理由は謎
    ・不明になった部分
    ①9条「正義と秩序を基調とする国際平和」→前文「公正」
    ②憲法と国際法 の関係が不明確になった
     ・国連憲章、前文→「正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを
               維持することが出来る条件を確立」
    ③憲法と合衆国憲法の連動性が見えにくなっている
      「より完全な連邦を形成」するために「正義(Jastice)」を樹立する
    ・第二段落「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
          平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
          四つの自由(ルーズベルト)→表現の自由、信仰の自由、欠乏からの自由
                        恐怖からの自由
    ・大西洋憲章第6項
     「ナチ」ノ暴虐ノ最終的破壊ノ後両国ハ一切ノ国民ニ対シ其ノ国境内ニ於テ安全ニ
      居住スルノ手段ヲ供与シ、且ツ一切ノ国の一切ノ人類カ恐怖及欠乏ヨリ解放
      セラレ其の生ヲ全ウスルコトヲ確実ナラシムヘキ平和カ確立セラルルコトヲ希望ス」
  • 憲法における国際条約
    ・「国に専念し他国を無視てならない ・他国と対等→「政治道徳の法則」→責務
     →戦前はこれを遵守していない
    ・社会契約の論理 →国際契約でも確認→諸国に認められれば→主権は回復される
     →1951年 サンフランシスコ条約で達成→ポツダム・プロセス 終了
     →ソ連拒否権発動→国連加盟申請果たせず→1956年 果たす
  • 憲法13条「幸福追求権」とアメリカ独立宣言のつながり
    ・全ての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する
     国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で
     最大の尊重を必要とする。
    アメリカ独立宣言 1776年 →イギリスの暴挙に対する
    ・大日本帝国時代の日本→この「人類普遍の原理」を認めてなかった
  • 社会契約の精神
    ・日本国憲法 アメリカ独立宣言→論理構造は同じ→イギリス革命の擁護者、
     ジョン・ロイックの思想
    →人間→自然の権利(一人一人にある)→社会契約 で実現→統治契約→業務委託
    ・政府→自由な意思によって運営されるべき→犯罪者(戦前の政府)が大日本帝国軍を悪用
    →契約違反なので排除→社会契約を再締結→宣言や日本国憲法→保障→ポツダム・プロセス

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