はじめての憲法(5) 篠田 英朗 著

     ★★★ 控訴審判決 10月19日(木)  公表午後6時 ★★★

★★★第4章 九条とはなにか①★★★ ー国際法遵守宣言としての一項

  • 国際法遵守を宣言した憲法九条一項
    「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる
    戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、
    永久にこれを放棄する。」
    ・芦田 均→1982年 不戦条約 に携わった→素直に反省→不戦を明示する必要性を自覚
    ・平和愛好家が運営する国際法秩序に従い→国際平和を希求→戦争放棄
    ・「国権の発動たる戦争を放棄する」「国際紛争を解決する手段として」の
      「武力による威嚇又は武力の行使」→国際法との連続性を明瞭にする
    ・1928年不戦条約
     第一条 締約国は国際紛争解決のため、戦争に訴えることなく、かつその相互関係において
         国家の政策の手段としての戦争を放棄することを、その各自の人民の名において
         厳粛に宣言する。
     第二条 締約国は相互に起こりうる一切の紛争又は紛議を、その性質又は理由に拘わらず
         平和的手段による以外には処理又は解決を求めないと約束する。
    ・やむを得ない場合は→集団安全保障
  • 国際法が達成した「無差別戦争観」の終焉
    ・「無差別戦争観」→19世紀国際法→シュミット→戦争に差は無い
     →主権は絶対→国内、国際社会で最高の権威を持つ
    ・ウィルソン大統領→パリ講和会議→世界戦争を防ぐには国際社会の仕組み→変更必要
     主権国家の自由宣戦布告→戦争開始→間違い
    ・国際連盟規約→戦争に訴えない義務
           →その代わり、集団安全保障→侵略者に対し
    ・満州事変→不戦条約崩壊させる
  • 米 国際連合に加入した理由→関わらないより、関わった法が戦争を防げる
  • 「戦争」は「自衛権の行使」とは違う
    ・国連憲章2条4項→全ての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇
             又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも
             また、国際連合の目的と両立しな他のいかなる方法によるものも
             慎まなければならない
    ・宣戦布告していないからこれは「戦争」ではない→言い訳を防ぐ
    ・1931年満州事変→宣戦布告無し→戦争ではない→不戦条約違反ではない
             →国際法秩序を動揺させた
    ・九条一項→国連憲章二条四項を意識している
    ・国際紛争を解決する手段ではない武力の行使→例→自衛権行使、集団安全保障 
     の行使としての武力行使は放棄していない。→第七章の諸規定
    ・1946年→吉田茂 国会答弁→「・・・国家正当防衛権による戦争・・・」
                  →「正当防衛権」
                  →「自衛権」ではない→「国際法」にはない概念
                 →有害 戦争を誘発する→「自衛戦争」を否定
    自衛戦争の否定→自衛権の否定ではない
  • 集団的自衛権は固有の自衛権
    国連憲章51条→「個別的又は集団的自衛権の固有の権利」
    ・自衛権→固有の→国連憲章より以前から存在する→憲章独自に作り出したものではない
        →慣習法
    ・国家の自然権→そんなもんない
    ・1972年→政府→集団的自衛権→国際法では合法→国内法では違法
    ・2015年→集団的自衛権→違憲でない→安保法制
    ・モンロー主義→欧州列強の干渉から→西半球世界の共和主義諸国を守る
     →米州機構に発展(地域安全保障)
    ・集団安全保障→地域的安全保障→矛盾しない→ウィルソン大統領
    ・米独立→英国王→13州で対抗
        →独立宣言=憲法13条→集団的自衛権を正当化
    ・憲法9条→不戦条約・国連憲章の概念構成を踏襲→国際法と同じ論理構成
        →国際法で禁止→戦争の放棄→国内法で確認
        →国際法で認められている自衛権を禁止していない
  • 専守防衛と自衛権との相異
    ・専守防衛→日本独自の概念→体系的な定義無し
    ・自衛権→①武力行為の発生要件②必要性原則・均衡性原則の要件→制約
  • 集団的自衛権は認められるが、憲法で禁止されている
    憲法に明記されていないからといって、禁止されていることにはならない。
    自衛権放棄は規定されていない

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